第8回(第二部の2)

講義資料http://akaokoichi.jp/pdf/sangyo2007-08.pdf
100万枚ヒットしても,(例えば秋川雅史のような)歌唱のみのケースでは,手にできる印税収入は単純計算で7500万円にすぎません。しかし,ソロのシンガーソングライターの場合は,同様に単純計算で6億2500万円に達します。著作隣接権でなく,著作権を握った場合の“旨み”がそこにあります。
「原盤権」と「出版権」のどちらを握るのがビジネスとして旨みがあるかといえば,後者です。原盤権は投資が必要で,ハイリターンが見込める代わりにハイリスクが伴います。さらに,投資回収が見込めるのが(一部のエヴァーグリーン・タイトルを除くと)比較的に短期間です。しかし「出版権」の場合は,投資がほとんどないうえ,長期間にわたって安定的に利益が見込める可能性があります。
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