第7回
講義資料http://akaokoichi.jp/pdf/contents2007-07.pdf
※YouTubeを用いた映像は,PDF中でリンクしておきました。赤で表示のリンクエリアにポインタを置き,右クリックで「ブラウザでWebリンクを開く」。リンク先の動画が「削除」されている場合もあります。
麻丘めぐみでは『ときめき』もお薦め。http://jp.youtube.com/watch?v=98azSEod7S0
こう書くと歴然としていますが,麻丘めぐみが一番好きでした(次は浅田美代子*1か)。ミニスカートやシンプルなドレスを着て,手フリなどポージングを付けて歌い,乙女チックで清楚な雰囲気があり,礼儀正しい……という,多くの人が思い描く「アイドルなるもののパブリック・イメージ」は麻丘めぐみが作り上げたといって過言ではないでしょう。6th single『アルプスの少女』ではコスプレもさせられていますし(^^;)*2
- アーティスト: 麻丘めぐみ
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2007/08/22
- メディア: CD
- クリック: 38回
- この商品を含むブログ (2件) を見る
- アーティスト: 浅田美代子
- 出版社/メーカー: Sony Music Direct
- 発売日: 2003/07/16
- メディア: CD
- 購入: 1人 クリック: 19回
- この商品を含むブログ (7件) を見る
- アーティスト: 岡崎友紀
- 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
- 発売日: 2007/08/22
- メディア: CD
- クリック: 40回
- この商品を含むブログ (3件) を見る
「アイドルは南沙織に始まる」という定説に,赤尾はあまり与しません。南沙織の存在自体が,沖縄返還を控えた“政治的存在”の感が強すぎるからです*3。南沙織はミドルティーン以上に支持が集中しました。低年齢層も巻き込み社会現象になったのは,天地真理です*4。小柳ルミ子は若者以外の支持が多かったようです。「娘や嫁にしたい存在」でしょうか(^^;)
- アーティスト: 南沙織
- 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックレコーズ
- 発売日: 1998/11/21
- メディア: CD
- 購入: 2人 クリック: 64回
- この商品を含むブログ (13件) を見る
- アーティスト: 天地真理
- 出版社/メーカー: Sony Music Direct
- 発売日: 2007/08/22
- メディア: CD
- クリック: 12回
- この商品を含むブログ (1件) を見る
- アーティスト: 小柳ルミ子
- 出版社/メーカー: Sony Music Direct
- 発売日: 2005/03/24
- メディア: CD
- 購入: 1人 クリック: 122回
- この商品を含むブログ (10件) を見る
「花の中三トリオ」において,アイドルソング・メーカーとして,阿久悠は必ずしも成功していません。森昌子も桜田淳子もパターナリズムに偏した駄曲だらけです*5。結局のところ,阿久悠の詩心のなかに“乙女”の部分が欠落していて,理屈でひねり出した詞が多すぎたからでしょうか*6。岩崎宏美の一連の楽曲が成功したのは,作曲者の筒美京平の力による部分が大きいと思います
- アーティスト: 森昌子
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2006/07/19
- メディア: CD
- クリック: 50回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
作曲者として宇崎竜童(結果的に作詞者としてその妻の阿木耀子)を指名したのは,プロデューサーではなく,山口百恵本人だそうです。そして,その出会いが山口百恵を「アイドルを超えた表現者」に昇華させることにつながりました。セルフ・プロデュース能力が備わっていることも,アイドル的ではありません。アイドルは,ビジネスの仕掛け人たちの,そして多くの受け手たちが抱く妄想の“あやつり人形”でなくてはならないからです。凡百のアイドルが,セルフ・プロデュースに乗り出したときには,たいてい“破滅”が待っています。
山口百恵『蒼い時』(自伝的エッセイ)asin:4087510565*7
平岡正明『山口百恵は菩薩である』asin:4061830562
日本武道館さよならコンサート・ライブ 山口百恵 -伝説から神話へ- [DVD]
- アーティスト: 山口百恵
- 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックハウス
- 発売日: 2003/06/25
- メディア: DVD
- 購入: 1人 クリック: 30回
- この商品を含むブログ (17件) を見る
*1:吉田拓郎の二番目の妻である。長渕剛が石野真子と結婚したように,フォーク界とアイドル界は地下でつながっているようだ?? 吉田拓郎は南沙織に捧げる『シンシア』という曲を,かまやつひろしと歌っている。
*2:発売は73/10/15。アニメ『アルプスの少女ハイジ』の放送は74年1月に始まっていますが,ビジネス的に直接の関係はありません。麻丘めぐみは74年に舞台でケガをしてしまいますが,「下手な便乗商法が祟ったのでは」と揶揄されました。人気も急下降してしまいます。
*3:もちろん『17才』の楽曲としての斬新さは評価しますが〈それも,リン・アンダースンの『ローズ・ガーデン』の“引用”による部分が大きいと言われていますが〉……
*4:低年齢層を巻き込む次なるムーヴメントは,76〜78年のピンク・レディーです。
*5:桜田淳子の夏三部作(と勝手に呼んでいる)『十七の夏』(75/6/5,http://jp.youtube.com/watch?v=FuxBh344MDE)・『夏にご用心』(76/5/25,http://jp.youtube.com/watch?v=VvNzAbW7hHA)・『気まぐれヴィーナス』(77/5/15,http://jp.youtube.com/watch?v=koIBh823SGw)は良い曲だし,脚も綺麗です(^^;) 後期の『サンタモニカの風』(79/2/25,http://jp.youtube.com/watch?v=5BB_P7cw7mY)が一番好きです。中島みゆき楽曲の『しあわせ芝居』(77/11/5,http://jp.youtube.com/watch?v=dfCcaFgvxss)・『化粧』(81/1/1,http://jp.youtube.com/watch?v=556RttWxzsc)もいいです。『追いかけてヨコハマ』(78/2/25,http://jp.youtube.com/watch?v=aLQJVhQFSVw)はサビの歌詞に違和感。「捨て台詞」は「見覚え」ではなく,「聞き覚え」だろう,と……
*6:森昌子も『恋ひとつ雪景色』(76年)や『なみだの桟橋』(77年)は“青春歌謡”の名曲だと思います。後者の作詞は杉紀彦です。