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使われなかった講義資料(PDF)
(*めくり機能でキーワードが伏せられていますが,PDFで“めくり”は使えません)

最後のスライド(10枚目)に書いたことの説明を省いてしまいました。メディアはしばしば「正義」をふりかざし,スキャンダリズム報道で私的制裁(私刑=メディア・リンチ)に走ります。世論(感情)もそれに同調し,私刑を喝采し,後押しする場合があります。それが本当に「社会正義」の実現につながるかどうかを慎重に見極めることが重要です。

スキャンダルは娯楽としては実に楽しいのです。非がある人や組織を,必要以上に貶めることで社会的制裁を発動し,没落していく様を見るのは,メディアの影響力,ひいては視聴者・読者の力を誇示することにつながり,快感でもあるからです。スキャンダルによって風評被害を受け,本来ならば持ちこたえられるはずの企業が倒産・解散の憂き目を見ることもあります。船場吉兆についても,消滅するまで私的制裁がおさまらない気がします。高級料亭の一軒がなくなったところで,社会への影響は軽微です。

それで本当にいいの? ということを,みなさんが意識してメディアに接するようになれば幸いです。

船場吉兆はホントに悪いのか?」と多数派に喧嘩を売るエントリーはやっぱり書かないことにします。そんなことに血道を上げても仕方がないですしね。よく似たことを書いているブログにリンクを貼ってお茶を濁しておきます。