第12回

講義資料:http://akaokoichi.jp/pdf/contents2007-12.pdf
80年代におたくは,一般ピープルから,敬して遠ざけられていたか,重宝に使われていたか,無視されていたかのどれか*1。バッシングや排除の機運が起こったのは,ミヤザキツトムくんの“功績”。「ミヤザキツトムくんは,おたくの風上にもおけぬ半端モノ」という批判は,空しく響いた。

宮崎勤事件―塗り潰されたシナリオ (新潮文庫)

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M/世界の、憂鬱な先端 (文春文庫)

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夢のなか―連続幼女殺害事件被告の告白

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若者殺しの時代 (講談社現代新書)

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電波男

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*1:この件では,竹熊健太郎のブログで議論がなされている。http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2008/01/post_7bb2.html ただし,そうした述懐が可能なのは,“恵まれたおたく”であって,身近な場所〈同じ高校・同じクラスなど〉に同種のおたくが存在しない場合,シカト→イジメの対象になっていたことが推察できる。また,〈俗〉や〈遊〉に過剰適応せざるをえず,おたくとしての気質形成に失敗するケースも考えられる〈ミヤザキツトムがそうだとも言える〉。さらに,もう一つの〈聖〉である新宗教やオカルティズムに接近していくことともある。おたく文化とオカルティズムは紙一重の隣人だからだ。