第3回

redtail27332007-10-19


講義資料:http://akaokoichi.jp/pdf/contents2007-03.pdf
誤解なきよう。御三家は橋幸夫舟木一夫西郷輝彦です。三田明を加えて“四天王”と呼ぶのは,一部の解釈です。ただ,実態として,橋幸夫は“年長”すぎて,もはや“青春”“アイドル”に似つかわしくなかったのも事実。舟木・西郷・三田の三人が実質的な“御三家”という見方もできます。
asin:4582851177:御三家歌謡映画の黄金時代(藤井淑禎)]
私の又従姉妹(当時は大学生:その後小学校教員)が舟木一夫の大ファンで,小学校低学年の私はなぜかよくお供で映画館に連れて行かれました。親戚が集まった宴席で舟木の歌を私が歌ったのをみて,「晃一君は舟木一夫が好きだから,映画に連れて行ってあげる」とでも理由をつけると,親からお小遣いをもらえたのだと推察します(同様の手口を後に私も6歳下の従姉妹に対して使うことになります)。
熱狂的なファンがいまでも多い御三家ですが,大量に作られた「歌謡映画」のビデオ(DVD)化は意外と進んでいません(だから授業の後半は『若大将』になったわけですが)。2007年に入り,舟木一夫主演の作品(東映と日活)がDVD化され始めました(日活はDVD-BOXも)。舟木は1960年代以降の活躍がいまひとつで,思い出が凝固されていることが商品化される動機でしょう(西郷輝彦は時代劇俳優として大成しましたし〈辺見えみりの父君ですね〉,橋幸夫はこれまた『子連れ狼』の主題歌のイメージが強すぎます)。さすがに購入するだけの動機がまだ稀薄ですが,学術的関心(笑)で購入すれば,次年度以降もこの授業があるとしたら,舟木一夫の歌謡映画を題材にするかも。
asin:B000LC3QPS:君たちがいて僕がいた]
asin:B000LC3QQ2:夢のハワイで盆踊り]
asin:B000NVLBNQ:高原のお嬢さん]
asin:B000N6SPI0:北国の街]
asin:B000N6SPIK:絶唱]
asin:B000NVLBOA:夕笛]
『君たちがいて僕がいた』に顕著なのですが,舟木一夫の映画は地方に住む若者の“等身大の青春”であるのに対し,『若大将』シリーズは都市富裕層の“非現実的な青春(だけど夢や憧れの対象である)”なので,私の又従姉妹のような,“現実的感覚”を持つ地方都市在住者は,御三家歌謡映画のほうにシンパシーを持ったのでしょう。