第10回
講義資料:http://akaokoichi.jp/pdf/contents2007-10.pdf
- 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
- 発売日: 2008/02/22
- メディア: DVD
- クリック: 36回
- この商品を含むブログ (28件) を見る
- 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
- 発売日: 1999/08/25
- メディア: DVD
- クリック: 7回
- この商品を含むブログ (18件) を見る
- 出版社/メーカー: BANDAI SPIRITS(バンダイ スピリッツ)
- 発売日: 2007/01/27
- メディア: おもちゃ&ホビー
- クリック: 61回
- この商品を含むブログ (27件) を見る
なお,『ヤマト』が真に“敗北”したのは『フランダースの犬』(75年1月5日)である。『アルプスの少女ハイジ』よりも駄作だとしたら,途中からでも『ヤマト』に流れる視聴者がいたかもしれないが,日本人の琴線に触れまくる“ネロとパトラッシュ”の滅びの美学に勝てるはずもなかった。
使命を果たして堂々と帰還するヤマトの人たちよりも,「何もできない」と悔いつつ他人に迷惑をかけなかったことだけを良しとして,ほとんど“自死”に近い死を選んだネロのほうが,日本人の美意識にはかなう。
だから,個人的には『ヤマト』のラストは気に入らない(続編はむろん唾棄すべきだが)。コスモクリーナーは何らかの方法で送り届け(というか設計図を送信できれば十分だろう),ワープ航法時の不慮のトラブルで,乗組員全員が宇宙の藻屑として消えていくべきなのだ。使命を果たしながら,無念の“討ち死に”。これこそが,日本人好みのストーリーだと思うのだが。